タイムカードの記録は労働時間を反映していない

労働者が出社した際に押し、また退社の際に押すのがタイムカード。
ある月の労働者の給与の算定の基礎となる労働時間は、通常このタイムカードに打刻された時刻をもとにして算出されます。しかし、現実には、上司が定時に合わせて打刻させた後も労働させたりしてサービス残業を強いるようなケースが存在します。また、企業側からすれば、労働者がダラダラしていたために打刻時間が遅れ、記録上は残業したかのようになっていて不満だ、というケースもあるでしょう。

このようなタイムカードの記録と現実のギャップについて、法律的にはどのように評価されるのでしょうか。

実は、タイムカードの記録というのは、法律上の労働時間と評価される時間と必ずしも一致していません。
法律上の「労働時間」とは、「労働者が使用者の指揮命令下におかれている時間」を指します。つまり、記録上の退社時刻が定時になっていようと、その後上司などの指示によって残業していた場合には、指揮命令下にあった時間といえるので労働時間として評価されるのです。



その逆も同様で、ダラダラとしていたり、ほとんど仕事をしていないのに残業代目当てで定時後も職場に残って適当な時間になってから打刻したという場合には、使用者の指揮命令下にあったとはいえないので労働時間としては評価されないのです。そして、この「指揮命令下におかれている時間」とは、客観的に判断すべきであるという旨の判例も存在します。



ですので、仮に記録上の時間を基に労働時間を算出するという取り決めがあったとしても、実際には社内でどのように過ごしていたかという事実によって、その時間が労働時間といえるかが決まるというのが法律上の労働時間の評価の仕方なのです。とはいえ、やはりタイムカードの記録というのは重要な証拠になるものです。

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これがいい加減になるとトラブルはより深刻になりますので、労使ともに正確な打刻を心掛けたいところです。